種の会からのお知らせ

週刊メッセージ“ユナタン”26(池田すみれ)

ユナタン:26≫ at 池田すみれこども園

~ たこ焼き から うどん作りプロジェクト へ 

平成28年11月22日 片山喜章(理事長)

《やりきるクッキングは少人数グループでこそ》

今年度からの新たな取り組みとして5歳児クラスで“やりきるクッキング”と称して4月から夏のお泊り保育に向けて、同じメニュー(たこやき)を作り続けてきました。その名の通り、子どもたちの力だけで“やりきる”ことです。当日だけでなく、買い物、準備、調理、片付けという一連の流れを大人の手を借りずにすることです。このような保育(教育)はプロジェクト型といわれ、保育界ではにわかに広がりつつあります。学校教育でも“アクティブ・ラーニング”として今後一層取り入れられる見込みです。

この取り組みを提案した時、担任は“おもしろそう!”と言った反面、“ほんとに、できるん?”と少し懐疑的でした。しかし、担任のシンパイをよそに、子どもたちはぐんぐん突き進んでいきました。なぜならクラス一斉の活動ではなくて、4~5人の小グループで“自分の思いを出さざるを得ない状況”の中、毎回、同じメンバーで同じ担当職員(担任以外の職員)で見事にこの活動を充実させていってくれました。

《おうどん はじめました》

そして、10月から“食育プロジェクト”の一端として≪うどん作り≫を始めました。今回は、栄養士指導のもと、たこ焼きの時と同じように小グループで取り組んでいます。

取り掛かりは“ねばりの実験”と称し、薄力粉・中力粉・強力粉で生地を準備していきました。少し寝かせてから水を張ったボールに生地を流し込み、そこに自分たちの手を突っ込んでは“ねばりの度合い”を体感していました。手についたたくさんのグルテンたちの感触に「なんやねん!これ~」と不快感を示したり、不可思議に感じたり‥…。

先日“どうしたら、あんな細くて長いうどんが作れるの?”という素朴な疑問からはじまって、栄養士とともに、うどん作りの第一回目を行いました。最初は先生たちが計量した水と小麦粉と塩を混ぜて“生地作り”です。前回と違ってべっとりした生地でないことを感じながら、順番に交代しながら生地を踏み続けていきました。普段、生地作りからすることなどない子どもたちにとって“どうなるんだろう”と先行きのわからないわくわく感が表情から見て取れました。寝かせた生地の形を整え、伸ばしていき、食べやすい太さに切っていきました。ここまでが一回目で経験したことでした。

今後は“だし”をどうするのか、と考えたり、子どもたちとともに具材を検討したり、互いに食べて味を比べ合ったり、あれこれ担任と栄養士は計画しているところです。

《こんなこともありました》

たこ焼きと違って子どもたちには馴染みのない初めてのことなので、栄養士がその都度、手順を伝えていきました。テーブルに置かれた説明書をまじまじと見つめるA君は、テーブルに運ばれる材料を見ては説明書で確認します。栄養士の話が終わると説明書を片手にリーダー気取りでグループの仲間に指示します。「はい、次は****して!」と威勢はよいものの、水と塩を混ぜるところでは、「はい、みんなで粉を入れよう!」と順番抜かし?に他の仲間から、「A君、それはこの後!」とたしなめられる場面も。

それにもめげず、混ぜる工程に入ろうとした時に我先にと仲間が身を乗り出した時、A君は、「じゅんばんに、まぜよう。あっ、Aはさいごでいいよ~」と指示。仲間に譲る思いやりの気持ちがあるのか、それとも…?

「1.2.3…」と10を数えたら交代するルールができました。B、C・・と順にしていき、最後にA君の番。10を数えても無言で、次の工程に入るまでずっとかき混ぜていました。次は、薄力粉を入れてこねる作業です。ここでもA君は、また「Aはさいごでいいよ」と一言。「?!」 これまでまっ先に自分からしたい、と身を乗り出してきたB君は違和感を覚えます。B君は自分の順番を終えても、全体の様子を凝視しだしました。他の子どもは嬉しそうにこねますが、あっという間に「10」が過ぎてしまいます。そんななかA君の動きを見つめるB君。10を越えても… 「なんでAだけ、いっぱいなん?」と鋭い指摘。“あぁ~ もめるかな~”と担任は黙って見守っていましたが、A君に詰め寄ることなく、B君の提案でボールをテーブルの中心に置き、“みんなでいっしょに混ぜる”というものでした。

《同じテーマを少人数でくりかえし》

同じ活動でもクラス全体で一斉に行なうと、散漫になる場合があります。このプロジェクトは、クラスを2分し、2日に分けて行ないます。1回につき4グループに分かれますから、1つのグループは4~5人です。また、活動場所も広いランチルームですから、子どもたちどうしで話し合える条件や環境が整います。ですから、子どもたちは落ち着いた心持ちになれるのだと思います。落ち着いた環境であるからこそ、A君の自分本位の行動を見破ったB君は、怒りをぶつけることよりも、“みんないっしょに”という新たな知恵を出せたのかもしれません。

うどんの仕上がりや感想はグループによって、それぞれでした「太すぎ!」「かたい!」「おいしい!」「麺がすすられへんやん!ちぢれ麺」…。生地のこね方はこれからですが、個々の気持ちはしっかりこねることができたように思います。子どもたちも担任も栄養士も次回が楽しみな手打ちうどんのプロジェクトです。 【資料提供:平井 裕子】