アゲハ蝶さんと過ごす
4月の下旬にアゲハ蝶の幼虫がやってきました。
さっそく、動く幼虫を観察する子ども達。じっくり観察すると、葉がなくなっている事に気づき「食べてる!」「美味しいんだね」と話していました。

幼虫が動くたびに「怖い!」と言っていた子も、だんだんと愛着が湧いてきたようで「かわいい💕」「いっぱい葉っぱ食べて大きくなってね」と、優しく話しかけることが多くなりました。最初は怖がっていた子も、手に乗せられるくらいまでになり、クラスみんなで大切に育てていきました。


そんな中、幼虫に変化が訪れ、蛹になりました。私が「蝶々になる準備のために寝ていることを“さなぎ”っていうんだよ」と伝えると、「じゃあ静かに見ないとね」「シーだね」と、気遣う子ども達。思いやりのある子ども達が増えてきたのが印象的です。数日間、「まだ寝てるね」「ずーっと寝てるね」と変化のない様子を見ながらも、“どんな色の蝶になるのかな”“大きい蝶かな?小さい蝶かな?”と、羽化する日を心待ちにしていました。
そしてある朝、虫かごを見ると、綺麗な黄色い羽の蝶がパタパタと飛んでいました。子ども達は「わー!!」「黄色の蝶々だ!」「大きい!!」「おはよう!!」と、嬉しそうにたくさんの感想を話してくれました。蝶になってからは図鑑を見て、「この蝶じゃない?」「アゲハ蝶っていう蝶なんだ!」と名前を知り、「アゲハ蝶さーん」と呼んで親しみを深めていました。名前を呼ぶと羽を動かしたり飛んだりする様子に、子ども達はすっかり夢中になっていました。
ある日私が、「アゲハ蝶を虫かごの中で飼うか、広いお空で過ごすのはどっちがいいかな?」と子ども達に聞きました。すると、「飛ぶの上手だから、お外の方が好きかな?」と言う話になりました。そのことをきっかけに、アゲハ蝶のさようなら会をすることにしました。虫かごを開けると、蝶々は大きく羽ばたき、空へと飛び立っていきました。子ども達は姿が見えなくなるまで「元気でね」「園庭で会おうね」「またね」と手を振りながら見送りました。幼虫から蝶になるまでの命の営みに触れ、驚きや発見、そして命を大切に思う気持ちを育むことができた、かけがえのない時間となりました。


今回の経験を通して、子ども達が「怖い」という気持ちから「かわいい」「大切にしたい」という気持ちへと変化していく姿がとても印象的でした。また、「静かに見ようね」と蛹を気遣うところや、「元気でね」と声をかけて見送るところから、命を大切に思う優しい気持ちが育っていることを実感しました。実際に育てるという体験だからこそ感じられる学びや気づきが多く、子ども達にとってかけがえのない時間になったと感じています。これからも、身近な自然や生き物との関わりを大切にしながら、子ども達の気づきや思いに寄り添っていきたいと思います。



