活動ブログ: 2025年 9月
太鼓をめぐって見えた、1歳児の気持ちの動き
2025年9月5日 金曜日カテゴリー: 園の取り組み
1歳アト組ではまだ夏祭りムードで、太鼓や盆踊りが盛り上がり!
東京音頭や炭坑節を流せば、太鼓のばちをもって手作り太鼓を演奏する子や、大人の真似をして盆踊りを踊っています。
そんなある日、段ボールに缶などをくっつけた手作り太鼓をめぐって、A君とB君が取り合いになりました。太鼓は二つあるのですが、二人ともその太鼓が使いたかったようです。
二人とも使いたい気持ちが強く、太鼓を掴む手に力が入ります…
まだ言葉で解決するのは難しい時期なので、お互いの顔を見つめ合って、あるで目で会話しているようでした。
しばらくしてA君の掴む手が離れました。手元から太鼓がなくなってしまったA君は、普段あまり泣かないのですが保育者のもとに来て顔をうずめて泣きました。

泣いているA君を見ていたCちゃん。

太鼓は取られてしまったけれど、泣いているA君をなぐさめようと、自分の遊んでいたおままごとのおもちゃをたくさん持ってきてくれました。
はじめは渡されるたびに手で振り払っていたA君。おままごとより太鼓がやりたいんだ!と気持ちをあらわにしていましたが、それでも何度も持ってきてくれるCちゃんの気持ちを感じたのか、静かに渡されるおもちゃを受け取っていました。

そしてまた、D君もやってきて、優しく頭をなでてあげていました。D君ほかの大人のところに行き、「A君えんえんしてた」と困ったような表情で伝えていました。
CちゃんとD君が優しくA君の気持ちに寄り添ってくれたことで、A君の気持ちも落ち着きました。
「どうする?B君に”かして”って言いに行く?」ときくと「うん」と答えました。

手をぱちぱち合わせながら「かーしーて」と言いました。しかしB君もやっとの思いで遊んでいる太鼓なので貸してくれません。
するとA君は「あったよ!」と先ほどは嫌がっていたもう一つの太鼓を手にしました。気持ちが切り替えて、そちらで遊ぶことにしたようです。

最後は二人で太鼓をあっちこっちに持って行って、笑い合いながら一緒に遊んでいました。
まだ気持ちを言葉にして相手に伝えるのは難しいですが、人と人のかかわりの中で相手の気持ちを心で感じ取り、こうやって少しずつ成長していくのだなと感じた出来事でした。